【事務局長のつぶやき】DE&I金沢・佛子園訪問記
先週24日(金)連休の合間に、インクルージョンSIGの活動の一環で、金沢市にある社会福祉法人佛子園が経営するB‘s行善寺とShare金沢を訪問しました。
https://www.can-neuro.org/fy2023_sig/#inclusion
あいにくの雨模様で金沢はかなり冷え込んでいましたが、心温まる活動に触れ、寒さも気にならず、あっという間に1日が過ぎました。佛子園は、雄谷良成(おおやりょうせい)さんという行善寺の住職で公益社団法人青年海外協力協会(JOCV)会長が理事長を務めており、雄谷さんは「ごちゃまぜ」というコンセプトで福祉事業と地方創生に取組んでいます。NHK心の時代でも紹介されています。同番組では次のように語っています。
「いろんな人が一緒にいて、だんだんつながっていく感じ。“ごちゃまぜ”ですね。お互いに知らないことがすごく問題だと思うんですね。障害がある・ないよりも、お互いがお互いのことを知らない状況が問題です。知らないことで怖いとか、違和感につながっている。縦、横、斜めに関わっていくことで、豊かな地域ができるんじゃないか」(雄谷さん)(出典:https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/649/)
B‘s行善寺とShare金沢も、障がい者、高齢者、幼稚園児、地元の小中学生、そして職員、職員も(介護福祉士、保育士、等、様々な異なる資格をもった職員)色々な人が一緒につどい、まさに「ごちゃまぜ」の環境です。とりわけ印象的だったのは、職員は皆と同じ私服とし、上から目線にならないよう、上に見られないようにしたり、可能な限り、オープン、ガラス張りにしたり、心理的にも物理的にも見えない壁を作らないようにしているなど、細かいところまで、施設設計、施設運営ができているのには感心しました。最初は精神障がいの方が大きな声をあげたり、突然、私たちが受けていた説明会の会場に入ってきて、挨拶をし出したりというのに戸惑いが無かったと言えば嘘になりますが、午前中、B‘s行善寺、午後にShare金沢を訪問しているうちに、それに慣れてしまったというのが実感です。お昼に食べた蕎麦と天丼の定食も、その時に飲んだ地ビール(昼間から飲んでしまいました)も障がい者の人たちが作っているのですが、美味しいんですよ(蕎麦はコシがあって美味しいし、特にビールはブルワリー・オブ・ザ・イヤー2014を受賞しています)。
今回の訪問は、CANで脳の観点から障がい者を含めたインクルージョンに取り込めないかと考えていた私が、偶然NHKの心の時代を見て、雄谷さんに飛び込みで連絡を取り、Webで色々とお話をうかがいました。その際に、「一度来てみてくださいよ。」と言われたことから実現したのですが、ここでは語りきれないくらい大きな発見と学びがありました。そして自分も含め多くの人の脳が持っている偏見、バイアス、そして、そういうものの上に成り立っている日本の制度の課題も何となく見えました。できれば、一人でも多くのCAN会員の方にも体験して頂きたく、来年度も訪問できればいいなと感じました。
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