応用脳科学資格検定制度

応用脳科学資格検定制度について

背景

人間のあらゆる意思決定、行動の司令塔である脳に関する知見はあらゆるビジネスに適用可能です。昨今、神経科学研究は情報科学技術の発展とともに共進化する段階に入っており、これによりヒトの脳あるいは「こころ」をより高精度に計測・予測・理解できるようになりつつあります。

このような研究成果を基に、すでに10年以上前から、グローバル企業のR&D部門やマーケティング部門はもちろんのこと、マネージメント層にもこれらの分野の博士号を取得している専門的な知識を有する人材は少なくなく、最近では、脳科学の応用に特化したベンチャー企業も爆発的に増えています。

また、数年前から欧米の著名なトップビジネススクールでは脳科学関連の講座を設置しており、脳科学、心理学、行動科学等、ヒト研究の成果をビジネスに活用することは決して珍しいことではありません。また、応用脳科学関連の研究者がビジネススクールに在籍したり、経営・経済等の分野の研究者と脳科学者が連携して研究開発活動を行ったりしています。

しかしながら、多くの国内企業では神経科学分野や心理学分野で博士号を取得した人材が十分数在籍しているとはいい難く、企業内で応用脳科学のビジネス応用を推進する際のボトルネックとなっているのが現状です。

情報技術の飛躍的発展にともなうAIの加速度的進化は目覚ましく、脳の知見をAIに活用する時代に入っています。日本企業がグローバルで市場競争に生き残っていくためには、消費者、社内人材を含め、企業内に脳科学の専門家が必要です。

応用脳科学コンソーシアムでは2010年の創設時より「応用脳科学アカデミー」を設立し、10年以上継続して、脳科学関連分野のトップレベルの研究者を講師としてお迎えし、ビジネスに応用できる応用脳科学の講義(2023年度は93講義)を実施してきています。昨年度の受講者数は延べ1,000名を超え、2010年の発足以来、延べ10,000名以上となっています。

応用脳科学アカデミーで学んできた方々はもちろんのこと、企業内で脳科学を応用した仕事をしたいと考えている方や、これから企業への就職を考えているポスドクや学生の方に向け、その知識がビジネスに活用できる水準であることを証明する応用脳科学資格検定制度を発足します。

検定制度の目的

当検定は、脳科学の応用技術が普及するとともに必要となる応用脳科学人材育成を目的として創設されました。脳科学の知識を産業に応用するために必要な基礎的なスキルについて幅広く総合的に評価し、十分にビジネスに活用できる知識を獲得できていることに加え、その知識、ネットワークを自らが所属する組織内で活用し、脳科学の産業応用を推進するエバンジェリスト、アンバサダー的な役割を担う能力を有することを証明する制度であり、合格者には「応用脳科学プラクティショナー」の合格証書を発行します。

脳科学をビジネスに応用するための基礎知識を理解していることを客観的に証明できる資格認定試験としてお役立てください。

検定概要

  • 制度名称:『応用脳科学資格検定制度』
  • 資格名称:『応用脳科学プラクティショナー』
  • 試験方式:IBT(Internet Based Test)
  • 試験時間:60分
  • 問題:多肢選択方式50問
  • 開催時期:2024年2月14日(水)~16日(金) (試験はいずれかの日の17時~18時に受けてください)
  • 受験料:11,000円(10,000円+消費税1,000円)
  • 資格有効期限:3年(更新制度あり)
  • お申込みは2024年2月12日(月)に締め切ります。
  • 2024年2月5日 (月) AM4:00 ~ AM5:30 はサーバー停止を伴うメンテナンスのためお申込みはできません。

試験実施ウェブサイト

https://can.testable.jp/ (お申込み時に設定したログインID, パスワードをご準備ください)

  • 2024年2月5日 (月) AM4:00 ~ AM5:30 はサーバー停止を伴うメンテナンスのためログインはできません。

出題分野

出題分野主な出題範囲
基礎(神経科学、心理学、認知科学等)脳・神経系を理解する上で必須となる基礎知識について問う。
神経科学、心理学、認知科学等を主な出題範囲とする。
脳と健康・脳を育む脳に関連するヘルスケア(精神疾患、神経疾患等の知識を含む)、脳の発達等に関する基礎的な知識について問う。
脳を知り脳に聞くヒトの内面的な経験や行動の理論や研究手法に関する知識について問う。ヒトの心の働きと神経系の働きの対応関係についての理解度を問う。特に記憶、言語、感覚、感情といった脳高次機能や実験・解析手法を主な出題範囲とする。
脳から学ぶAI神経回路等、脳の情報処理に関する理解やシミュレーションに用いられる情報科学的な知識について問う。
ELSI(倫理・法・社会的課題)脳科学研究を進める上で必要な倫理・法・社会的課題に関する知見を問う。
ビジネス脳科学ビジネスに特に必要な応用的な脳科学・心理学・行動科学等に関する知識について問う。神経科学・心理学・行動科学等、主にビジネスシーンで活用可能な人間・脳に関わる幅広い知見を出題範囲とする。

運営委員

脳科学、心理学、行動科学等の脳関連研究分野から選抜した研究者、産業関係の有識者、および応用脳科学コンソーシアム事務局による応用脳科学資格検定運営委員会を設置し、試験方法、問題作成、成績評価等について、逐次検討を行ないます。

  • 茨木 拓也
    • 株式会社NTTデータ経営研究所 ニューロイノベーションユニット アソシエイトパートナー
    • VIE STYLE株式会社 Chief Neuro Technology Officer
  • 梅田 聡
    • 慶應義塾大学 文学部 人文社会学科 心理学専攻 教授
  • 大隅 典子
    • 東北大学 副学長(広報・ダイバーシティ担当)
    • 東北大学 附属図書館長
    • 東北大学大学院 医学系研究科 発生発達神経科学分野 教授
  • 片岡 洋祐
    • 神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 生体制御学講座 特命教授
    • 理化学研究所生命機能科学研究センター 分子標的化学研究チーム 客員主管研究員(兼務)
  • 金井 良太
    • 株式会社アラヤ代表取締役
  • 銅谷 賢治
    • 沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 教授
    • 一般社団法人日本神経回路学会 会長
  • 本田 学
    • 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第七部 部長
  • 松元健二
    • 玉川大学 脳科学研究科 脳科学研究所 教授
    • 一般社団法人日本神経科学学会 産学連携推進委員会 委員長
  • 山岸 典子
    • 立命館大学グローバル教養学部 教授
    • 公益社団法人日本心理学会 理事

後援

  • 一般社団法人日本神経回路学会
  • 一般社団法人日本神経科学学会
  • 日本脳科学関連学会連合