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応用脳科学アカデミー

     

2024年度

自由エネルギー原理の基礎 FEP活用法:乾 敏郎(京都大学 名誉教授)

 自由エネルギー原理は、2006年にカール・フリストンによって発表されて以降急速に発展し、現在では発達科学や社会科学をも含む大統一理論として分野の垣根を越え広く認められている。自由エネルギー原理で扱われる自由エネルギーと...

脳の自由エネルギー原理:背景と応用:島崎 秀昭(京都大学 大学院情報学研究科 准教授)

本講演では脳の自由エネルギー原理が形成されてきた歴史的背景を,それを支える主要な実験結果や他分野との関わりとともに紹介する.自然刺激への適応に基づく古典的な認識の理論から,外界のモデルを脳の中に持つとするベイズ脳仮説,そ...

知覚と行動と学習をつなぐ自由エネルギー原理:吉田 正俊(北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター 教授)

ベイズ的知覚観というものがあります。われわれ人間やその他の生き物は、たとえば網膜のようなセンサーに時々刻々と入力してくる観測データを元にして、それを生み出した外界の状態(たとえば太陽の高さ)という隠れ値を推定する、このよ...

予測符号化原理に基づく実ロボットの知能化と事例:尾形 哲也(早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 教授)

深層学習に代表される機械学習では、大量のデータを学習し、最適な汎化性能を持つモデルの作成を目的とする。しかしながら、開かれている実世界で活動する実ロボットにおいて、全ての状況で最適なポリシーを獲得することは不可能であり、...

身体性予測情報処理に基づく認知発達と発達障害:長井 志江(東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構 特任教授)

乳幼児の認知発達はどのような神経基盤に支えられているのか.乳幼児が獲得する社会性やそこに内在する個性の発生機序は,まだ未解明な部分が多い.本講演では,脳の統一原理とされる予測符号化理論に基づいた計算論的研究を紹介する.講...

自由エネルギー原理は普遍的な脳理論なのか?:磯村 拓哉(理化学研究所 脳神経科学研究センター 脳型知能理論研究ユニット ユニットリーダー)

脳を構成する神経細胞は、どのように生物の優れた知能を実現しているのでしょうか?例えば、壁の近くにリンゴがあるとき、私たちはリンゴが壁の形に欠けているとは考えず、リンゴの一部が壁に隠れていると考えます。こうした経験に基づく...

学習理論から迫る脳の意思決定と情動:吉本 潤一郎(藤田医科大学 医学部 教授)

過去の経験に基づき、将来を予測し、意思決定に役立てる能力を「学習」といいます。我々人間の脳は、意識することなく簡単に実現してしまっている学習ですが、どのような仕組みでそれが実現されているのでしょうか?本講義では、機械学習...

「オンリーワンの個性を、チカラに変える。」レゾナック ジョブサポートチームのご紹介:鈴木 秀明(株式会社レゾナック)

 これまでの身体障がいのある方を中心とした障がい者雇用から脱却し、知的・精神・発達障がいがあっても企業就労の場で、個人が持つ能力を最大化することのできる企業でありたいと考え、人事部内に知的・精神障がいのある方々をチームで...

自然セラピー -生体調整効果と個人差-:宮崎 良文(千葉大学環境健康フィールド科学センター 自然セラピープロジェクト 特命研究員, グランドフェロー, 名誉教授)

自然セラピーがもたらす生理的リラックス効果を紹介し、それらのデータを元に、最近、見いだした「生体調整効果(高い場合は低下させ、低い場合は上昇させて、生体を調整する効果)」と「個人差」について、以下の2パートに分けて講演し...

脳から考える情報医療とブレインヘルスケア:本田 学(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第七部 部長)

脳における情報処理の素過程を担っているのは化学反応、すなわち物質現象に他ならず、五感を介して脳に入力される情報は、究極的には脳の特定の部位に特定の化学物質を投与したのと同じ反応を引き起こす。すなわち脳においては、生命活動...