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応用脳科学アカデミー

     

2024年度

脳科学から考えるコンパッション:藤野 正寛(NTT コミュニケーション科学基礎研究所 リサーチスペシャリスト)

苦しみを抱えた相手と向き合った際に、相手の苦しみに巻き込まれて共感疲労に陥るのではなく、相手の苦しみを和らげてあげたいというコンパッションが生じるにはどうすればいいのでしょうか。本講義では、認知神経科学の領域で扱われてき...

身体と美:坂本 晶子(ワコール 人間科学研究開発センター 主席研究員)

からだの美しさ研究に約60年前から取り組んでいます。この研究では、独自に収集している日本人女性の人体計測データを用い、その時代時代の女性たちが求める美しさを明らかにしてきました。1965年には、日本女性の初めての美の指標...

精神・神経症状を生み出す自律神経活動の特殊性:梅田 聡(慶應義塾大学 文学部 人文社会学科 心理学専攻 教授)

これまで,さまざまな精神症状および神経症状の背後にある神経メカニズムが少しずつ解明されていたが,感情・記憶・社会性といった認知機能の低下や歪みを生じさせる背景として,自律神経活動の状態およびその感知と制御が深く関わってい...

「うつ病:その対処と治療から脳科学まで」:加藤 忠史(順天堂大学 医学部精神医学講座 主任教授)

うつ病、という言葉は広く知られていますが、「うつ病とは何か?」と議論し始めると、専門家の間でも議論が起きるかも知れません。本当は心理的反応として捉えるべきケースでも、症状の表面だけでうつ病と診断されてしまう可能性もありま...

AIによる自動作曲ソフトを用いた疑似作曲体験が高齢者の認知機能へ与える影響 ~音会 ~:佐藤 正之(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 医師)

 近年、人工知能 (AI) の発展が著しい。適当な言葉を入力するだけで、ほぼ無限に画像を作成してくれる。一方、生活習慣病の管理に加え、運動不足や社会的孤立の解消により、認知症のリスクを減らせることが明らかになった。Liv...

BodySharing, 体験共有の未来:玉城 絵美(H2L, Inc. CEO/琉球大学 工学部 教授/東京大学 大学院工学系研究科 教授)

 我々の研究グループでは,重さや抵抗感などのさまざまな感覚を他者やロボットと共有する「BodySharing」を実現することで,臨場感溢れる体験共有を目指しています. BodySharingで重視している固有感覚を伝達す...

カオスを用いた脳の計算理論~カオスの縁・雪崩現象・確率的サンプリング~:豊泉 太郎(理化学研究所 脳神経科学研究センター 数理脳科学研究チーム チームリーダー)

本講義では神経細胞間の情報伝達を担うシナプス結合の効果で生じる神経活動のカオスに着目した数理モデルをご紹介します。このモデルでは、感覚入力がたとえ一定であっても、シナプス結合による神経細胞間の相互作用を使って時間とともに...

「認知行動療法:根本的な考え方から、テクノロジーを用いた発展まで」:伊藤 正哉(国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター 研究開発部長)

認知行動療法は、認知理論と学習理論を背景として、人のものの考え方、行動の仕方に注目して介入をしていくことにより、心理的な変容を促そうとする心理介入の総称であり、発展しつつある科学の一分野とも捉えられている。本講義において...

計算論的精神医学入門:山下 祐一(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第七部 室長)

現行の精神障害の診断分類は、患者自身の主観的報告と医師による行動観察に基づいており、生物学的知見・病因・病態生理に基づいた体系になっていない。また、近年の生物学的知見の蓄積によっても、診断、重症度評価、予後や治療反応性予...