文脈に操られる運動の記憶:羽倉 信宏(情報通信研究機構(NICT) 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳情報通信融合研究室 主任研究員)
マルセル・プルーストの「失われた時をもとめて」の冒頭では、紅茶に浸したマドレーヌを口にした主人公は鮮やかに昔の記憶を思い出します。つまり、「記憶」はそれが作られたときの状況、すなわち、「文脈」と紐づいており、その文脈が手...
応用脳科学アカデミー
マルセル・プルーストの「失われた時をもとめて」の冒頭では、紅茶に浸したマドレーヌを口にした主人公は鮮やかに昔の記憶を思い出します。つまり、「記憶」はそれが作られたときの状況、すなわち、「文脈」と紐づいており、その文脈が手...
運動がうまくなるには練習が欠かせない。それは運動の「誤差」を減らすように脳が「学習」するからである。この運動の誤差を減らす学習には小脳が重要であることが知られている。この小脳には運動誤差を知らせる信号が届いていると考え...
同じ情報でも、人によって受け取り方に違いが生じます。ある人にとっては理解しやすい情報が、他の人には難しいものであることもありますし、ある状況が快適な人もいれば、ストレスに感じる人もいます。さらに、個人のその時々の状態に...
脳とコンピュータを接続し、利用者の意図を解読してロボットハンドなどの操作を可能にするBMI技術が期待と注目を集めています。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄損傷、脳卒中など、運動機能の障害に対するサポート技術として開発...
ブラインドサッカー選手のような視覚障がい者アスリートは、目が見えていると錯覚するほど巧みで正確な運動パフォーマンスを発揮することができます。視覚に頼ることなく、脳はどのようにして正確な空間認知や身体制御を実現しているので...
近年、広義に良好な状態を意味するWell-beingが、健康状態から個人の生産性に至るまで、多岐にわたる側面と密接に関連していることが多く報告されています。ポジティブ心理学研究では、日常生活の様々な場面で現れる感謝感情が...