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応用脳科学アカデミー

     

1. 脳と健康

脳からみた主体性:松元 健二(玉川大学脳科学研究所 教授)

主体性とは一般に「自らの判断と意志とに基づいて対象に働きかけ、目的を実現し、さらにその結果についての責任を負おうとする態度」のことを指すが、脳科学的には、外界や他者と関わる複数の脳機能の総合によって形成される複雑な現象と...

認知バイアスから見た脳とこころのメカニズム:山田 真希子(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所 チームリーダー)

偏ったものの見方や思い込みなどの「認知バイアス(認知の歪み・錯覚)」は、これまで、認知科学、社会心理学、行動経済学において研究が続けられてきました。認知バイアスは、外界の刺激などに対して脳内で独自に創造された「主観的経験...

競技中のアスリートの心・身体・脳の状態を解析する:柏野 牧夫(NTT コミュニケーション科学基礎研究所 NTTフェロー)

 スポーツに熟達するには、単に身体(筋力やフォームなど)を鍛えれば事足りるものではない。試合の重大な局面で持てる技能を最大限発揮するためには、心身の状態を最適化する必要がある。また、とりわけインタラクティブな競技では、ボ...

脳科学から考えるコンパッション:藤野 正寛(NTT コミュニケーション科学基礎研究所 リサーチスペシャリスト)

苦しみを抱えた相手と向き合った際に、相手の苦しみに巻き込まれて共感疲労に陥るのではなく、相手の苦しみを和らげてあげたいというコンパッションが生じるにはどうすればいいのでしょうか。本講義では、認知神経科学の領域で扱われてき...

精神・神経症状を生み出す自律神経活動の特殊性:梅田 聡(慶應義塾大学 文学部 人文社会学科 心理学専攻 教授)

これまで,さまざまな精神症状および神経症状の背後にある神経メカニズムが少しずつ解明されていたが,感情・記憶・社会性といった認知機能の低下や歪みを生じさせる背景として,自律神経活動の状態およびその感知と制御が深く関わってい...

「うつ病:その対処と治療から脳科学まで」:加藤 忠史(順天堂大学 医学部精神医学講座 主任教授)

うつ病、という言葉は広く知られていますが、「うつ病とは何か?」と議論し始めると、専門家の間でも議論が起きるかも知れません。本当は心理的反応として捉えるべきケースでも、症状の表面だけでうつ病と診断されてしまう可能性もありま...

AIによる自動作曲ソフトを用いた疑似作曲体験が高齢者の認知機能へ与える影響 ~音会 ~:佐藤 正之(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 医師)

 近年、人工知能 (AI) の発展が著しい。適当な言葉を入力するだけで、ほぼ無限に画像を作成してくれる。一方、生活習慣病の管理に加え、運動不足や社会的孤立の解消により、認知症のリスクを減らせることが明らかになった。Liv...

「認知行動療法:根本的な考え方から、テクノロジーを用いた発展まで」:伊藤 正哉(国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター 研究開発部長)

認知行動療法は、認知理論と学習理論を背景として、人のものの考え方、行動の仕方に注目して介入をしていくことにより、心理的な変容を促そうとする心理介入の総称であり、発展しつつある科学の一分野とも捉えられている。本講義において...

計算論的精神医学入門:山下 祐一(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第七部 室長)

現行の精神障害の診断分類は、患者自身の主観的報告と医師による行動観察に基づいており、生物学的知見・病因・病態生理に基づいた体系になっていない。また、近年の生物学的知見の蓄積によっても、診断、重症度評価、予後や治療反応性予...

自然セラピー -生体調整効果と個人差-:宮崎 良文(千葉大学環境健康フィールド科学センター 自然セラピープロジェクト 特命研究員, グランドフェロー, 名誉教授)

自然セラピーがもたらす生理的リラックス効果を紹介し、それらのデータを元に、最近、見いだした「生体調整効果(高い場合は低下させ、低い場合は上昇させて、生体を調整する効果)」と「個人差」について、以下の2パートに分けて講演し...

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