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応用脳科学アカデミー

     

アドバンス2024年度

自動車の感性機能と美(マツダ株式会社 車両開発本部車両実研部クラフトマンシップ開発グループ 主幹エンジニア 久保 賢太)

感性というキーワードがモノづくりの領域に取り入れられて久しい。一方で、モノづくりにおける感性とは、ユーザーのスキルを指すのか、ものが持つ機能・性能を指すのか、明確に定義できていない。一般的には、感性とは美しさを感じたり、...

リズムを処理する脳 – ヒトの音楽性の起源 -:藤井 進也(慶應義塾大学 環境情報学部 准教授)

 本講義では、リズムを処理する脳の不思議について、皆様と共に、探究してみたいと思います。私自身、ドラマーとしてリズムを演奏します。そのリズム演奏の感覚の中には、宇宙の感覚があります。その感覚を脳科学の観点から眺めてみると...

量子認知入門 不確実な世界での意思決定:山田 真希子(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所 チームリーダー)

本講義では、量子力学の原理を応用した認知科学の新しいモデルである「量子認知」の基礎とその応用を紹介します。従来の古典的確率論では説明が難しい意思決定や信念更新、認知バイアスなどを、量子確率論を使って理解することができるよ...

脳からみた主体性:松元 健二(玉川大学脳科学研究所 教授)

主体性とは一般に「自らの判断と意志とに基づいて対象に働きかけ、目的を実現し、さらにその結果についての責任を負おうとする態度」のことを指すが、脳科学的には、外界や他者と関わる複数の脳機能の総合によって形成される複雑な現象と...

認知バイアスから見た脳とこころのメカニズム:山田 真希子(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所 チームリーダー)

偏ったものの見方や思い込みなどの「認知バイアス(認知の歪み・錯覚)」は、これまで、認知科学、社会心理学、行動経済学において研究が続けられてきました。認知バイアスは、外界の刺激などに対して脳内で独自に創造された「主観的経験...

競技中のアスリートの心・身体・脳の状態を解析する:柏野 牧夫(NTT コミュニケーション科学基礎研究所 NTTフェロー)

 スポーツに熟達するには、単に身体(筋力やフォームなど)を鍛えれば事足りるものではない。試合の重大な局面で持てる技能を最大限発揮するためには、心身の状態を最適化する必要がある。また、とりわけインタラクティブな競技では、ボ...

揺らぎを活かす脳の計算学習理論:寺前 順之介(京都大学 大学院情報学研究科 先端数理科学専攻 非線形物理学講座 准教授)

脳は約千億のニューロンがそれぞれ数千のシナプスを介して互いに結合し合う巨大なネットワークである。興味深いことに脳内では、ニューロンの活動とシナプスの変化との両方が、自発性に、しかもランダムに動作することが分かっている。例...

VR・心理学・ロボットの融合による人のアシストシステム:稲邑 哲也(玉川大学 脳科学研究所 先端知能・ロボット研究センター 教授)

介護やリハビリにおける運動支援システムの開発は、ロボットの活躍が期待される応用分野の一つである。従来までの研究開発は、支援によって実現される身体運動の機能性が評価の対象であり、認知や心理面からのユーザケアは理学療法士等の...

錯覚の効果と情報提示技術への応用:雨宮 智浩(東京大学 情報基盤センター 教授)

ヒトが外界から受ける感覚情報を処理するとき、刺激を感覚器官によって受容し、それらを総合的に意味づけし、経験や記憶に基づいて解釈をおこなう過程を経ます。五感情報ディスプレイはこうした感覚情報の流れを修飾し、編集するものであ...

自己を表象する脳の仕組み:中野 珠実(大阪大学 脳情報通信融合研究センター 教授)

 人間にとって「自分の顔」は、感情を表出し、合図をだす以上の意味を持つ。他者から認識されるための、いわば「身体の名刺」のような機能を持つ。さらに、鏡や写真を通じて自分の顔を知ってしまった我々は、他者の目に映る自分の姿を強...