過去と未来を結びつける脳内表現を用いた学習行動:酒井 裕(玉川大学 脳科学研究所 教授)
脳は、目や耳などの感覚器から刻々と膨大な情報を取得し、多数の筋肉に出力パターンを送り、身体を制御している。極めて多次元の連続量の時間パターンに関する入出力変換を状況に応じてやってのけている。しかも、遺伝的にプログラムされ...
応用脳科学アカデミー
脳は、目や耳などの感覚器から刻々と膨大な情報を取得し、多数の筋肉に出力パターンを送り、身体を制御している。極めて多次元の連続量の時間パターンに関する入出力変換を状況に応じてやってのけている。しかも、遺伝的にプログラムされ...
脳科学分野は急速に発展しています。それにより、わたしたち市民は脳科学研究の恩恵を受けることができます。しかし、それと同時に、わたしたちは脳科学研究の成果がわたしたちの従来の社会や人間観にどのように影響を及ぼすのか、吟味す...
「もの」と「情報」があふれる社会から、「幸福」・「快適」社会への転換が模索され始めています。そうした中、「こころ」と脳の関係など、脳科学への関心も高まっています。しかし、一般に、脳の機能を理解することは大変難しいと思われ...
脳は神経回路を経験に応じて変化させることで様々な環境に適応している。その際、神経細胞間の情報伝達を担うシナプスの強度は神経活動に応じて変化することが知られている。本講義では、神経細胞が効率的に情報を伝えているという最適化...
単一データセットの学習ではなく,複合するさまざまなデータの集合体から高次の知識やモデルを獲得することが望まれています。そうした高次知識の獲得について2つの視点からお話しします。ひとつめのメタモデリングは,類似するさまざま...
新しい言語の学習に苦労して、生まれてすぐに開始した母語の学習ではそれほど苦労もせずに完璧に使いこなせるようになったのに、と考え始める人は少なくないかもしれません。確かに赤ちゃんは、その言語が話される環境の中で育つだけで、...
認知行動療法は、認知理論と学習理論を背景として、人のものの考え方、行動の仕方に注目して介入をしていくことにより、心理的な変容を促そうとする心理介入の総称であり、発展しつつある科学の一分野とも捉えられている。本講義において...
自由エネルギー原理は、2006年にカール・フリストンによって発表されて以降急速に発展し、現在では発達科学や社会科学をも含む大統一理論として分野の垣根を越え広く認められている。自由エネルギー原理で扱われる自由エネルギーとは...
深層学習に代表される機械学習では、大量のデータを学習し、最適な汎化性能を持つモデルの作成を目的とする。しかしながら、開かれている実世界で活動する実ロボットにおいて、全ての状況で最適なポリシーを獲得することは不可能であり、...
味覚は生物にとって、生死に直結する重要な感覚です。例えば、甘味の知覚は高カロリーな物質を探りあてるため、苦味の知覚は毒性を持つ物質を探り当てるために発達してきました。自然界には、植物性アルカロイドをはじめ、様々な毒物が偏...