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応用脳科学アカデミー

2024年度

応用行動分析学をベースにした自閉スペクトラム症への支援と未来:井上 雅彦(鳥取大学 医学系研究科 教授)

「自閉スペクトラム症(ASD)って何?」「どんな治療法が効果的?」「親や支援者にできることは?」そんな素朴な疑問からASD支援の現状と未来について考えます。本講演では、エビデンスのある支援方法であり、行動科学の一つである「応用行動分析(ABA)」という学問分野から、ASDの特性や支援の考え方を紹介します。ASDの支援について、子どもだけでなく、家族支援の視点から、親への支援プログラムについて解説します。また、最新の技術としてAIを活用した診断ツールや、スマートグラスを使ったコミュニケーションサポートなど、未来のASD支援の可能性について考察します。ニューロダイバーシティという多様性を尊重していく社会の中で、ASDという「障害」についてどのように考えていくべきか、支援はどうあるべきか考えていきます。

講師

井上 雅彦 先生
鳥取大学 医学系研究科 臨床心理学講座 教授

日時

2025年1月14日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)第2部 14:20~15:30
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。

場所

オンライン(Zoom)

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

井上 雅彦(いのうえ まさひこ)先生

現職

  • 鳥取大学大学院医学系研究科 臨床心理学講座 教授

経歴

1992年 筑波大学大学院博士課程心身障害学中退
1992年 兵庫教育大学学校教育学部 障害児教育実践センター助手
1999年 同大学 発達心理臨床研究センター助教授
2005年 同大学 大学院学校教育研究科 臨床・健康教育系 准教授  
2008年より現職

研究概要

発達障害・自閉スペクトラム症のある人たちの心理臨床を専門にしています。
環境との相互作用の中で生まれる困難に対して、個人の行動を変容を求めることには限界もあります。またそれが必ずしも個人と環境に新たな価値を生み出すとは限りません。心理臨床家として、社会、つまり環境設定の変更をクライアントとともに考えていくこと、望ましい環境設定をともに実現していくという視点が求められると思います。
応用行動分析学(Applied Behavior Analysis: ABA)は、個人と環境の相互作用として「行動」を捉え、問題の解決を個人のみに求めるのではなく、環境とのインタラクションの中で改善しようとする応用科学です。いわゆる伝統的な「心理臨床」からはかなり逸脱しているかもしれません。私は既存の学問領域からの逸脱に磨きをかけながら、応用行動分析学という思考ツールを用いて、発達障害をはじめとした支援についてみなさんと考えていけたらと思っています。

■学会活動・社会活動など

<主な所属学会と委員 2025年1月現在>
日本認知・行動療法学会   常任編集委員
日本発達障害学会      理事 評議員 編集委員
日本自閉症スペクトラム学会 評議員
日本行動分析学会      編集委員
日本特殊教育学会 
日本児童青年精神医学会
日本小児精神神経学会
日本小児神経学会
The Association for Behavior Analysis International
International Society for Autism Research

<主な社会活動>
日本自閉症協会 常任理事
日本発達障害ネットワーク 理事
同志社大学・実証に基づく心理・社会的トリートメント研究センター嘱託研究員
(株)LITALICO アドバイザー

<非常勤講師(現)>
日本大学大学院総合社会情報研究科

<非常勤講師歴>
慶應大学大学院社会学研究科
東京大学
東北大学
九州大学
富山大学
京都教育大学
横浜国立大学

             

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