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応用脳科学アカデミー

2024年度

脳からみた主体性:松元 健二(玉川大学脳科学研究所 教授)

主体性とは一般に「自らの判断と意志とに基づいて対象に働きかけ、目的を実現し、さらにその結果についての責任を負おうとする態度」のことを指すが、脳科学的には、外界や他者と関わる複数の脳機能の総合によって形成される複雑な現象と考えられる。本講義では、主体性の基礎としての運動主体感に関する先行研究を紹介したのち、目標指向性や内発的動機づけ、社会規範と説得、自由と平等の価値づけなど、主体性を支える他の心の働きの神経基盤にアプローチした演者自身のこれまでの研究を中心に紹介する。最後に社会科学的な観点からの主体性についても触れ、主体性の高い組織や社会のあり方についても考察する。

講師

松元 健二 先生
玉川大学脳科学研究所 教授

日時

2024年10月30日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)第1部 13:20~14:10
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。

場所

オンライン(Zoom)

お問い合せ先

本講義に関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

松元 健二(まつもと けんじ)先生

現職

  • 玉川大学脳科学研究所 教授

経歴

  • 1991年 帯広畜産大学畜産学部獣医学科 卒業
  • 1993年 京都大学大学院理学研究科霊長類学専攻修士課程 修了(修士(理学))
  • 1996年 京都大学大学院理学研究科霊長類学専攻博士後期課程 修了(博士(理学))
  • 1996-1999年 理化学研究所 基礎科学特別研究員
  • 1997年 ルイパスツール大学 客員准教授
  • 1999-2004年 理化学研究所脳科学総合研究センター 研究員
  • 2004-2007年 理化学研究所脳科学総合研究センター スタッフ研究員
  • 2007年-現在 理化学研究所脳科学総合研究センター 客員研究員
  • 2007-2008年 早稲田大学大学院先進理工学研究科 客員講師
  • 2007-2008年 カリフォルニア工科大学 神経科学訪問研究員
  • 2007-2008年 玉川大学脳科学研究所 嘱託研究員
  • 2008-2011年 玉川大学脳科学研究所 准教授
  • 2009-2010年 東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 非常勤講師
  • 2012-2013年 東京大学大学院教育学研究科 非常勤講師
  • 2013-2014年 専修大学人間科学部 兼任講師
  • 2013年-現在 日本女子大学大学院人間社会研究科 非常勤講師
  • 2011年-現在 現職

研究概要

人間が主体的に生きることができる根拠を脳科学的に探るため、目標に基づいた行動選択、内発的動機づけ、社会における意思決定などの神経基盤を、主に脳機能イメージング法を用いて研究しています。

主な業績

  • *Yukihito Yomogida, Madoka Matsumoto, Ryuta Aoki, Ayaka Sugiura, Adam N. Phillips , *Kenji Matsumoto. The neural basis of changing social norms through persuasion. Scientific reports 7: 16295, 2017.
  • Kou Murayama, Madoka Matsumoto, Keise Izuma, Richard M. Ryan, Edward L. Deci, and *Kenji Matsumoto. How self-determined choice facilitates performance: A key role of the ventromedial prefrontal cortex, Cerebral Cortex 25: 1241-1251, 2015.
  • Ryuta Aoki, Madoka Matsumoto, Yukihito Yomogida, Keise Izuma, Kou Murayama, Ayaka Sugiura, Colin F. Camerer, Ralph Adolphs, Kenji Matsumoto, Colin F. Camerer, Ralph Adolphs. Social equality in the number of choice options is represented in the ventromedial prefrontal cortex, J. Neurosci. 34: 6413-6421, 2014.
  • Keise Izuma, Kenji Matsumoto, Colin F. Camerer, Ralph Adolphs. Insensitivity to social reputation in autism, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 108: 17302-17307, 2011.
  • Keise Izuma, Madoka Matsumoto, Kou Murayama, Kazuyuki Samejima, Norihiro Sadato, Kenji Matsumoto. Neural correlates of cognitive dissonance and choice-induced preference change, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 107: 22014-22019, 2010.
  • Kou Murayama, Madoka Matsumoto, Keise Izuma, *Kenji Matsumoto. Neural basis of the undermining effect of monetary reward on intrinsic motivation, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 107: 20911-20916, 2010.
  • Madoka Matsumoto, Kenji Matsumoto, Hiroshi Abe, and Keiji Tanaka. Medial prefrontal cell activity signaling prediction errors of action values. Nature Neurosci. 10: 647-656, 2007.
  • Kenji Matsumoto, Wataru Suzuki, and Keiji Tanaka. Neuronal correlates of goal-based motor selection in the prefrontal cortex. Science 301: 229-232, 2003.

                 

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