感情の機能を理解し、健康行動に役立てる:関屋 裕希(東京大学大学院 医学系研究科 精神保健学分野 客員研究員)
私たちの行動は、論理的な判断に基づいているようでいて、実は感情の影響を大きく受けています。
例えば、仕事がうまくいかないとき、論理的に考えれば、「上司や同僚に助言を求める」行動がとれると良いのですが、「こんなことを聞いたら、怒られるかもしれない…やっぱり1人で考えよう」と不安などの感情が作用して行動できなくなることがあります。
感情は、外部の刺激に対して、私たちの生存確率を高めるうえで必要な反応を引き起こす重要な役割を担っていますが、脳神経情報の計測技術の進歩により、メカニズムの解明が進んできています。
この回では、感情がもつ機能やメカニズムを解説し、ヒトの健康行動を促すヒントとなる知見をお伝えします。
講師
関屋 裕希 先生
東京大学大学院 医学系研究科 精神保健学分野 客員研究員
日時
2021年9月1日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※関屋先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
オンライン開催
お問い合せ先
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講師紹介
関屋 裕希(せきや ゆき)先生
現職
- 東京大学大学院 医学系研究科 精神保健学分野 客員研究員
経歴
- 2007年 早稲田大学 第一文学部 心理学専修卒業
- 2009年 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 ヒューマン・ケア科学専攻 発達臨床心理学分野 前期博士課程 修了
- 2012年 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 ヒューマン・ケア科学専攻 発達臨床心理学分野 後期博士課程 修了(PhD)
- 2012年 東京大学 大学院 医学系研究科 精神保健学分野 特任研究員
- 2015年 東京大学 大学院 医学系研究科 精神保健学分野 客員研究員
研究概要
専門領域は産業精神保健(職場のメンタルヘルス)。労働者をはじめとして、未就学児をもつ母親、医療従事者など、幅広い対象に合わせて、ストレスマネジメントプログラムの開発と効果検討研究に携わる。
また、業種や企業規模を問わず、ストレスチェック制度や復職支援制度など、健康経営を見据えたメンタルヘルス対策・制度の設計、職場環境改善・組織活性化ワークショップ、経営層・管理職・従業員それぞれの層に向けたメンタルヘルスに関する講演や執筆活動を行う。
大学院時代より、「感情」をテーマに研究を続けてきた背景から、その知見を活かして、理念浸透や組織変革時のインナーコミュニケーションのデザイン・設計にも携わる。
代表著作は「感情の問題地図(2018.7/技術評論社)」。
主な業績
- Imamura K, Sekiya Y, Asai Y, Umeda M, Horikoshi N, Yasumura S, Yabe H, Akiyama T, Kawakami N. The effect of a behavioral activation program on improving mental and physical health complaints associated with radiation stress among mothers in Fukushima: a randomized controlled trial. BMC Public Health. BMC Public Health. 2016;16(1).
- Adachi H, Sekiya Y, Imamura K, Wantanabe K, Kawakami N. The effects of training managers on management competencies to improve their management practices and work engagement of their subordinates: A single group pre‐ and post‐test study. Journal of Occupational Health 62, 1, 2020.
- 関屋裕希(2017).職場のセルフケア研修をより魅力的にするために,私たちには何ができるだろうか~睡眠衛生教育・マインドフルネスを中心に考える~.産業ストレス研究,25,105.
- The effects of training for managers on management competencies on improvement of work engagement of their subordinates. International Congress of occupational health. Yuki Sekiya, Norito Kawakami. 2018. Dublin.