実験消費者心理学:有賀 敦紀(広島大学大学院 人間社会科学研究科 准教授)
※講師変更
消費者の選好や意思決定は人間の認知プロセスそのものであるため,認知心理学的アプローチが有用である。本講義では,認知心理学の基本的考え方を解説した後,消費者の潜在的プロセスに焦点を当てた実証研究を紹介する。具体的には,(1)潜在的プロセスの測定方法,(2)顕在的プロセスと潜在的プロセスの乖離,(3)消費者の情報処理プロセスの文化差,(4)実験室とフィールド間での研究結果の相違,といったテーマを扱う。本講義を通して,人間の認知行動が潜在的プロセスに支えられていることを示し,その視点から消費者心理学の展望を述べる。
講師
有賀 敦紀 先生
広島大学 大学院人間社会科学研究科 准教授
日時
2021年11月29日(月)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※有賀先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
入館方法
JA共済ビルのエントランスフロアで受付を済ませてから、左側のエレベーターにて9階までお越しください。9階に着きましたら、片側のガラス越しに社名が掲示されています。そちら側よりご入室いただきますと、右側奥に応用脳科学アカデミー受付(臨時設置)がございます。
お問い合せ先
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講師紹介
有賀 敦紀(ありが あつのり)先生
現職
- 広島大学 大学院人間社会科学研究科 准教授
経歴
- 2009年 東京大学大学院人文社会系研究科 博士(心理学)取得
- 2009年 日本学術振興会海外特別研究員
- 2009年 イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 客員研究員
- 2011年 立正大学心理学部 専任講師
- 2014年 立正大学心理学部 准教授
- 2016年 広島大学大学院総合科学研究科 准教授
- 2020年 広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授(現在に至る)
研究概要
認知心理学を専門とし,主に実験的手法によって人間の認知行動の解明を目指しています。具体的には,視覚意識の基盤となる情報選択過程,人間の社会性を支える心の基本的メカニズム,選好や意思決定にかかわる潜在的プロセスなどを研究テーマとしています。最近では,消費者の商品選択や魅力評価,意思決定などに注目し,現実場面で消費者の行動を規定する様々な要因について,心理学およびマーケティングの視点から検討しています。
主な業績
- Ichimura, F., Moriwaki, M., & Ariga, A. (2021). Romantic bias in judging the attractiveness of faces from the back. Journal of Nonverbal Behavior, 45, 339-350.
- Jiang, Q., & Ariga, A. (2020). The sound-free SMARC effect: The spatial–musical association of response codes using only sound imagery. Psychonomic Bulletin & Review, 27, 974-980.
- Ariga, A., & Saito, S. (2019). Spatial-musical association of response codes without sound. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 72, 2288-2301.
- Tsegmed, O., Taoka, D., Jiang, Q., & Ariga, A. (2019). Implicit attitudes about agricultural and aquatic products from Fukushima depend on where consumers reside. Frontiers in Psychology, 10: 515.
- Ariga, A. (2018). Reading habits contribute to the effects of display direction on product choice. PLOS ONE, 13(12): e0209837.
- 有賀敦紀 (2016). 拡張的パーソナルスペース:所持品間の距離に反映される所有者の対人距離 心理学研究, 87, 186-190.
- 在原克彦・有賀敦紀・古屋健 (2016). 商品価格に基づく購入の確実性が値引き獲得行動に与える影響 心理学研究, 87, 12-20.
- 有賀敦紀・井上淳子 (2013). 商品の減少による希少性の操作が消費者の選好に与える影響 消費者行動研究, 20, 1-12.
- Ariga, A., & Lleras, A. (2011). Brief and rare mental “breaks” keep you focused: Deactivation and reactivation of task goals preempt vigilance decrements. Cognition, 118, 439-443.
- Ariga, A., & Yokosawa, K. (2008). Attentional awakening: Gradual modulation of temporal attention in rapid serial visual presentation. Psychological Research, 72, 192-202.