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応用脳科学アカデミー

ベーシック 2021年度

脳計測の基礎:番 浩志(NICT 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター 脳情報通信融合研究室 主任研究員)

fMRIをはじめとする脳イメージング技術の発展によって、ヒトの内観を驚くほど詳細に調べることが可能となりつつあります。一方、脳イメージング技術には実験デザインや解析に種々の制約があり、その解釈には注意が必要です。本講義では、マーケティングに関わるfMRI脳イメージング研究論文を例に挙げながら、脳イメージング技術の基礎理論、実験デザイン法、解析法、結果を解釈する際の注意点について概説し、専門外の方々がfMRIを使ったヒト脳機能イメージングの論文を読み、その概略がつかめるようになることを目指します。

講師

番 浩志 先生
NICT 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター 脳情報通信融合研究室 主任研究員

日時

2021年7月30日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※番先生の講義は、13:00~16:50です。途中、2回各10分程度の休憩を挟みます。

場所

オンライン開催

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

番 浩志(ばん ひろし)先生

現職

  • NICT 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター 脳情報通信融合研究室 主任研究員
  • 大阪大学大学院 生命機能研究科 招へい准教授

経歴

  • 2003年 京都大学 総合人間学部卒
  • 2008年 京都大学 大学院人間・環境学研究科修了(人間・環境学博士)
  • 2008年-2009年 京都大学 こころの未来研究センター 助教
  • 2009年-2013年 英国 バーミンガム大学 心理学部 脳イメージング教室 博士研究員
  • 2013年-現在 情報通信研究機構 研究員
  • 2014年-現在 大阪大学 大学院生命機能研究科 招へい準教授 兼任
  • 所属学会: Vision Science Society, Society for Neuroscience

研究概要

ヒトの脳機能、とくに視覚の情報処理システムを解明するために、行動実験および脳機能イメージング方法(fMRI; functional magnetic resonance imaging 磁気共鳴映像法など)を用いた研究を展開してきた。私たちが目にする自然風景は、無数の物体が複雑に重なり合って構成されている。よって、ある視対象に目を向けた時、その視対象が単独で目に映ることはまれで、通常は他の物体と渾然一体となって網膜上に投影される。それにも関わらず、ヒトは複雑で不完全な網膜像から豊かな3次元世界を即座に知覚できる。このとき、私たちの視覚系は視対象そのものを単独で処理するのではなく、空間・時間的に近接する周辺の文脈との関係性も踏まえて、全体を統合的に解釈する柔軟な処理を行っている。このヒト視覚系が備える統合のメカニズムは、現行の最新のコンピュータやアルゴリズムを用いても模倣が不可能なほど柔軟性に富み、高精度なものである。よって、ヒト脳内の視覚情報処理機構を解明することは、神経科学の基礎的な理解・発展に貢献するのみならず、マシン・ビジョンの開発を目指す工学やコンピュータサイエンスの応用研究分野にとっても大きな貢献が期待できる重要な研究課題である。現所属では、脳機能イメージング法で得られた脳活動データを解析するための新しい手法の開発にも積極的に取り組んでいる。

主な業績

主な論文
  • 片岡洋祐、武坂寿夫 気分の動きをみる新しい技術「KOKOROスケール」自動車技術第66巻12号86-90 (2012).
  • 片岡洋祐 原因別疲労動物モデルと分子神経病態 日本生物学的精神医学会誌 24, No. 4, 211-217 (2013).
  • 片岡洋祐、久米慧嗣 メタボローム解析による疲労病態研究と慢性疲労症候群診断バイオマーカーの開発 医学のあゆみ Vol. 249 No. 4 299-303 (2014).
  • 片岡洋祐 各種生体データを用いた疲労・ストレス評価 製品開発のための生体情報の計測手法と活用ノウハウ -脳計測・生理計測に基づく客観的な感性評価を商品へ活かす- 149-156 (2017).
  • 田村泰久、片岡洋祐 神経炎症制御にかかわるNG2グリア 特集『「病は気から」の謎に迫る Neuroimmunology』 実験医学 (医学書院), 第36巻 第3号 389-393 (2018).
  • 田村泰久、片岡洋祐 脳内神経炎症から神経を保護するグリア細胞 日本認知症学会誌 Vol. 34, 8-12 (2020). 久米慧嗣、小林宣夫、片岡洋祐 ストレス・疲労のセンシングとその評価技術(株式会社技術情報協会)第3節「疲労・ストレス・未病時における分子代謝・超微細構造に基づくバイオマーカー探索研究の取り組み」 183-192 (2019).
主な編著書
  • 「基礎心理学実験法ハンドブック(日本基礎心理学会編)」  朝倉書店 共著
  • 「心理学概論 (京都大学心理学連合編)」 ナカニシヤ出版 共著
  • 「Visual Cortex: New Research」 New York: Nova Science Publisher 共著
             

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