行動計測の基礎:山岸 典子(立命館大学 グローバル教養学部 教授)
人を知ることは、人と関わる物や情報を、ユーザにとって使いやすく、安全で親しみのあるデザインにするために非常に重要です。人の特性は、心理学的な手法や脳活動計測手法によって明らかにすることが可能です。この講義では、人の認知特性を、科学的に解明する方法を実際に体験することで、学びます。具体的には、仮説を立て、実験計画を考え、実際の行動実験を行い、統計解析をし、結果を解釈する、という研究の一連の流れを体験することで、認知心理学の実験方法を習得します。
講師
山岸 典子 先生
立命館大学 グローバル教養学部 教授
日時
2021年7月9日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※山岸先生の講義は、13:00~16:50です。途中、2回各10分程度の休憩を挟みます。
場所
オンライン開催
お問い合せ先
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講師紹介
山岸 典子(やまぎし のりこ)先生
現職
- 立命館大学 グローバル教養学部 教授
- 国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所 連携研究員
- 国立研究開発法人 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター (CiNet) 特別研究員
経歴
- 1995年 パデュー大学心理科学部認知心理学科 Ph. D. 取得
- 1995年-1996年 カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部眼科 ポストドクトラルリサーチフェロー
- 1996年-1998年 ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校心理学部 ポストドクトラルリサーチフェロー
- 1998年-2000年 株式会社エイ・ティ・アール 人間情報通信研究所 研究員
- 2000年-2003年 国際電気通信基礎技術研究所 人間情報科学研究所 研究員
- 2003年-2013年 国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所 主任研究員
- 2009年-2013年 JST「さきがけ」(情報環境と人) 研究員
- 2012年-2019年 大阪大学 大学院生命機能研究科 招へい准教授
- 2013年-現在 国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所 連携研究員
- 2013年-2019年 国立研究開発法人 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター (CiNet) 主任研究員
- 2016年 マギル大学経営学修士号 (MBA) 取得
- 2016年-2019年 立命館大学 総合研究機構稲盛経営哲学研究センター 客員協力研究員
- 2019年-現在 国立研究開発法人 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター (CiNet) 特別研究員
- 2019年-現在 国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所 連携研究員
- 2019年-現在 立命館大学 グローバル教養学部 教授
- 所属学会:American Psychological Association (APA), Association for Psychological Science (APS), Society for Neuroscience
- 日本心理学会, 日本視覚学会, 日本神経科学会。
研究概要
認知機構の解明 –視覚注意のメカニズム
私たちは目や耳から入る情報をそのまま知覚しているわけではありません。これから行う行動や目的に応じて情報に重みを付けて脳の中で処理を行なっています。また、そのときの脳内の状態によって外界の情報の処理が違っており、その後の人間の行動に影響を与えます。このような脳内の状態と外界の情報がどのようにダイナミックに関わり合い、私たちが外界を知覚、認識しているのか、その仕組の解明を心理物理学的手法ならびに脳活動計測技術を用いて取り組んでいます。
主な業績
主な論文
- Nawa, N.E., Yamagishi, N. (2021). Enhanced academic motivation in university students following a 2-week online gratitude journal intervention. BMC Psychol 9, 71. https://doi.org/10.1186/s40359-021-00559-w
- 坂井、世波、村上、満上、山岸. (2021). VR環境下での視覚探索時間に対する人の心的状態の影響. 日本バーチャルリアリティ学会論文誌 第26巻第1号,「VR心理学8」pp52-61,doi:https://doi.org/10.18974/tvrsj.26.1_52.
- Maekawa, T., Anderson, S. J., de Brecht, M., Yamagishi, N. (2018). The effect of mood state on visual search times for detecting a target in noise: An application of smartphone technology. PloS ONE 13(4): e0195865. doi: 10.1371/journal.pone.0195865.
- Yamagishi, N. & Anderson, S.J. (2013). The relationship between self-awareness of attentional status, behavioral performance and oscillatory brain rhythms. PLOS ONE 8(9): e74962. doi:10.1371/journal.pone.0074962.
- de Brecht, M., Yamagishi, N. (2012). Combining sparseness and smoothness improves classification accuracy and interpretability. NeuroImage, 60, 1550-1561.
- Yamagishi, N., Anderson, S.J., & Kawato, M. (2010). The observant mind: self-awareness of attentional status. Proceedings of the Royal Society, B, 277. 3421-3426, Epub 2010 Jun 9. doi: 10.1098/rspb.2010.0891.
- Shibata, K., Yamagishi, N., Goda, N., Yoshioka, T., Yamashita, O., Sato, M., & Kawato, M. (2008). The effects of feature attention on prestimulus cortical activity in the human visual system. Cerebral Cortex, 18, 1664-1675; doi: 10.1093/cercor/bhm194.
- Yamagishi, N., Callan, D.E., Anderson, S.J., & Kawato, M. (2008). Attentional changes in pre-stimulus oscillatory activity within early visual cortex are predictive of human visual performance. Brain Research, 1197, 115-122.
- Yamagishi, N., Goda, N., Callan, D. E., Anderson, S. J., & Kawato, M. (2005). Attentional shifts towards an expected visual target alter the level of alpha-band oscillatory activity in the human calcarine cortex. Cognitive Brain Research, 25, 799-809
- Seitz, A*. R., Yamagishi, N*., Werner, B*., Goda, N., Kawato, M., & Watanabe, T. (2005). Task-specific disruption of perceptual learning. Proceedings of the National Academy of Sciences, 102, 14895-14900. (*Equal contribution/Co-first author)
- Yamagishi, N., Callan, D. E., Goda, N., Anderson, S.J., Yoshida, Y., & Kawato, M. (2003). Attentional modulation of oscillatory activity in human visual cortex. NeuroImage, 20, 98-113.
主な著書
- コンサルティングエディター (2009年-現在)
- Behavior Research Methods (Springer)