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応用脳科学アカデミー

2023年度

脳波を利用した心理状態の推定技術について:渡部 宏樹(情報通信研究機構(NICT)未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳機能解析研究室 研究員)

我々は日常生活において様々な情報を受け取り処理しています。情報をどのように受け取り処理するかは、それを受け取った時の心理状態によって刻々と変化します。本講義では、ウェアラブルな小型脳波計を用いた脳波計測によって、脳が受け取った情報をどのように処理しているかを分析することを通じて、心理状態を推定することを試みた研究について紹介します。具体的には、ニュースを聴取している際の言語処理に関連する脳波から抑うつ気分を推定する研究や、勉強中に解答に対する正解・不正解を示すフィードバックを受け取った際の脳波からモチベーションを推定する研究について紹介します。また、このような脳波を活用した心理状態推定に関する研究成果の今後の社会実装についても議論します。

講師

渡部 宏樹 先生
情報通信研究機構 (NICT) 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳機能解析研究室 研究員

日時

2023年10月13日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)第2部 14:20~15:30
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。

場所

オンライン(Zoom)

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

渡部 宏樹(わたなべ ひろき)先生

現職

  • 情報通信研究機構(NICT)未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳機能解析研究室 研究員

経歴

  • 2019年: 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 博士後期課程 研究指導認定退学 工学(博士)
  • 2018-2019年: 日本学術振興会 特別研究員(DC2)

研究概要

我々は日常生活において様々な情報を受け取り処理しています。どのように情報を受け取り処理するかは、それを受け取ったときの心理状態によって刻々と変化します。脳波の計測を通じて、脳が日常で受け取った情報をどのように処理しているかを分析することで心理状態を推定する研究を行っています。特に、抑うつ気分や勉強へのモチベーションなどに焦点を当て、実環境で利用可能なアプリケーションへの応用を目指しています。

主な業績

  • Fuseda, K., Watanabe, H., Matsumoto, A., Saito, J., Naruse, Y., and Ihara, A.S. (2022) Impact of depressed state on attention and language processing during news broadcasts: EEG analysis and machine learning approach. Scientific Report 12, 20492.
  • Watanabe, H. and Naruse, Y. (2022) P300 as a neural indicator for setting levels of goal scores in educational gamification applications from the perspective of intrinsic motivation: An ERP study. Frontiers in Neuroergonomics, 3:9408080.
  • Watanabe, H., Higashi, Y., Saga, T., Hashizaki, M., Yokota, Y., Kataoka, H., Nakajima, H., and Naruse, Y. (2021) Eye-fixation-related potentials (EFRPs) as a predictor of human error occurrences during a visual inspection task, Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC), 5820-5823.
  • Watanabe, H., Nakajima, K., Takagi, S., Mizuyama, R., Saito, M., Furusawa, K., Nakatani, K., Yokota, Y., Kataoka, H., Nakajima, H., and Naruse, Y. (2021) Differences in mechanical parameters of keyboard switches modulate motor preparation: A wearable EEG Study. Frontiers in Neuroergonomics. 2:644449.
  • Ihara, A.S., Matsumoto, A., Ojima, S., Katayama, J., Nakamura, K., Yokota, Y., Watanabe, H., and Naruse, Y. (2021) Prediction of second language proficiency based on electroencephalographic signals measured while listening to natural speech. Frontiers in Human Neuroscience 15:665809.
  • Watanabe, H., Tanaka, H., Sakti S., and Nakamura, S. (2020). Synchronization between overt speech envelope and EEG oscillations during imagined speech. Neuroscience Research, 153, 48-55.
  • Tanaka, H., Watanabe, H., Maki, H., Sakti, S., and Nakamura, S. (2019) Electroencephalogram-based single-trial detection of language expectation violations in listening to speech. Frontiers in Computational Neuroscience, 13:15.

             

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