メタバースと新しい身体:廣瀬 通孝(東京大学 名誉教授)
VR(バーチャル・リアリティ)とは、実際には存在しない世界を人工的に合成し、疑似体験することを可能ならしめる技術である。この技術は感覚研究と不可分な関係にある。人が外界を感じるのは感覚を通してであって、世界を合成することは感覚信号を合成することに他ならないからである。そこに脳の様々な機能が介在することは言うまでもない。
VR技術が登場してすでに4半世紀以上が経過し、この技術は、さらなる進化の方向としてメタバース化を見出した。VRがネットワークを介して、我々の新しい活動空間として拡大していくわけである。その空間は単なる物体の集積空間ではなく、人々が集まってコミュニティを作る空間である。この新しい活動空間において、われわれはアバタという新しい身体を持つに至る。身体と心は密接な関係を有するというが、今後われわれの心はどう変わるのか、様々な観点から考え、さらに将来的な研究課題についても触れてみたいと思っている。
講師
廣瀬 通孝 先生
東京大学 名誉教授
日時
2022年11月30日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※廣瀬先生の講義は、13:00~14:10です。
場所
オンライン講義←ハイブリッド開催より変更になりました
お問い合せ先
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講師紹介
廣瀬 通孝(ひろせ みちたか)先生
現職
- 東京大学 名誉教授
- 東京大学先端科学技術研究センター サービスVRプロジェクト プロジェクトリーダー
経歴
- 1954年5月7日生まれ、神奈川県鎌倉市出身
- 1982年3月 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了 工学博士
- 1982年 東京大学工学部産業機械工学科 専任講師
- 1983年 東京大学工学部産業機械工学科 助教授
- 1999年 東京大学大学院工学系研究科 教授、東京大学先端科学技術研究センター 教授
- 2006年~2020年 東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
- 2018年~2020年 東京大学連携研究機構バーチャルリアリティ教育研究センター機構長
- 2020年4月~現在 東京大学先端科学技術研究センター サービスVRプロジェクト プロジェクトリーダー
- 2020年6月~現在 東京大学名誉教授
研究概要
専門はシステム工学、ヒューマン・インタフェース、バーチャルリアリティ。
主な業績
主な著書に「バーチャル・リアリティ」(産業図書)。総務省情報化月間推進会議議長表彰、東京テクノフォーラムゴールドメダル賞、大川出版賞、など受賞。
日本バーチャルリアリティ学会会長、日本機械学会フェロー、産業技術総合研究所研究コーディネータ、情報通信研究機構プログラムコーディネータ等を歴任。