脳オルガノイドによる次世代脳研究:池内 与志穂(東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 分子細胞工学分野 准教授)
近年、多能性幹細胞などを三次元組織(オルガノイド)として培養すると、自発的に臓器の発生過程を模倣することが明らかになった。ヒトの脳は生きたまま取り出すことが非常に困難であり研究が難しいため、神経(脳)オルガノイドはヒトの神経系を理解する新しい道を開拓することが期待されている。創薬分野での応用だけでなく、神経オルガノイドを生きたコンピューターとして活用する試みは広がりを見せてきており、スタートアップ企業も生まれている。本講演では神経オルガノイドの現状や回路を作る取り組みを紹介し、機能化に向けた可能性を議論したい。
講師
池内 与志穂 先生
東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 分子細胞工学分野 准教授
日時
2024年07月30日(火)13:00~17:30(12:40より受付開始)第2部 14:20~15:30
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場所
ハイブリッド開催(会場:株式会社NTTデータ経営研究所会議室(千代田区平河町(地図)&Zoom)
お問い合せ先
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講師紹介
池内 与志穂(いけうち よしほ)先生
現職
- 東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 分子細胞工学分野 准教授
経歴
東京大学生産技術研究所准教授。東京大学、ハーバード大学医学部、ワシントン大学(セントルイス)医学部での研究活動の後、2014年より神経科学と組織工学を融合した研究を行っている。
研究概要
ヒトのiPS細胞などから神経細胞や組織(オルガノイド)をつくることを通じて、神経系が出来上がる仕組みや、脳が機能するメカニズムなどを理解することを目指している。
主な業績
- Complex activity and short-term plasticity of human cerebral organoids reciprocally connected with axons. Tatsuya Osaki, Tomoya Duenki, Siu Yu A. Chow, Yasuhiro Ikegami, Romain Beaubois, Timothée Levi, Nao Nakagawa-Tamagawa, Yoji Hirano, Yoshiho Ikeuchi, Nature Communications 15 2945 2024
- Human sensory neurons modulate melanocytes through secretion of RGMB. Siu Yu A Chow, Kazuki Nakayama, Tatsuya Osaki, Maki Sugiyama, Maiko Yamada, Hirotaka Takeuchi, Yoshiho Ikeuchi, Cell reports 40(12) 111366-111366 2022
- A Human Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Tissue Model of a Cerebral Tract Connecting Two Cortical Regions. Kirihara T, Luo Z, Chow SYA, Misawa R, Kawada J, Shibata S, Khoyratee F, Vollette CA, Volz V, Levi T, Fujii T, Ikeuchi Y, iScience 14 301-311 2019