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応用脳科学アカデミー

2024年度

当事者研究から学ぶインクルージョン 高信頼性組織・共同創造・アンチスティグマ:熊谷 晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター・東京大学多様性包摂共創センター 教授)

 ダイバーシティは、各々が偏見を持ち合い、バラバラに活動していたのでは、インクルージョンにつながらず、個人や組織のウェルビーイングや潜在能力の発現につながらない。本講義では、高信頼性組織、共同創造、アンチスティグマという3つの概念を基軸に、インクルーシブな組織の条件を整理し、その実現において当事者研究という方法が果たしうる役割を考える。

講師

熊谷 晋一郎 先生
東京大学先端科学技術研究センター 准教授、東京大学多様性包摂共創センター 教授、日本学術会議 会員、内閣府障害者政策委員会 委員長

日時

2024年10月02日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)第2部 14:20~15:30
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。

場所

オンライン開催(Zoom)

お問い合せ先

本講義に関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

熊谷 晋一郎(くまがや しんいちろう)先生

現職

  • 東京大学先端科学技術研究センター 教授
  • 東京大学多様性包摂共創センター 教授
  • 日本学術会議 会員
  • 内閣府障害者政策委員会 委員長

経歴

2001年 東京大学医学部医学科卒業
2001年 東大医学部付属病院小児科研修医
2002年 千葉西総合病院小児科勤務医
2004年 埼玉医科大学病院小児心臓科病棟助手
2009年 東京大学大学院医学系研究科生体物理医学専攻博士課程単位取得退学
2009年 東京大学先端科学技術研究センター特任講師
2014年 東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士号(学術)取得
2015年 東京大学先端科学技術研究センター准教授(現職)着任
2024年 東京大学先端科学技術研究センター・東京大学多様性包摂共創センター 教授

研究概要

当事者研究とは、障害や病気など、様々な困難を持った本人が、類似した困難をもつ仲間の力を借りながら研究者となって、自らの困りごとについて研究するユニークな実践である。当事者研究は統合失調症を持つ人々の間で行われ始め、徐々に、依存症や脳性まひ、発達障害など、様々な困りごとを持つ人々の間に広まった。我々は、当事者研究の歴史や理論、学習可能な方法を整備するとともに、当事者研究を通じて発表された知見を検証すべく、多領域の研究者と共同してきた。さらに、当事者研究を導入することが、個人や組織のウェルビーイングに与える影響を検証している。

主な業績

  1. Matsuo, A., Tsujita, M., Kita, K., Ayaya, S., & Kumagaya, S. (2023). Developing and Validating Japanese Versions of Psychological Safety Scale, Knowledge Sharing Scale and Expressed Humility Scale. Management and Labour Studies, https://doi.org/10.1177/0258042X231191871.
  2. Tsujita, M., Homma, M., Kumagaya, S., & Nagai, Y. (2023). Comprehensive intervention for reducing stigma of autism spectrum disorders: Incorporating the experience of simulated autistic perception and social contact. PLOS ONE, 18(8), e0288586.
  3. 熊谷晋一郎・喜多ことこ・綾屋紗月. (2021). 当事者研究の導入が職場に与える影響に関する研究. 経済分析, 203, 28-58.
  4. Alqahtani S, Joseph J, Dicianno B, Layton NA, Toro ML, Ferretti E, Tuakli-Wosornu YA, Chhabra H, Neyedli H, Lopes CR, Alqahtani MM, de Vliet PV, Kumagaya S, Kim J, McKinney V, Yang Y, Goldberg M, Cooper R. (2021). Stakeholder perspectives on research and development priorities for mobility assistive-technology: a literature review. Disability and Rehabilitation: Assistive Technology, 16(4), 362-376.
  5. Wada, M., Ikeda, H., & Kumagaya, S. (2020). Atypical Effects of Visual Interference on Tactile Temporal Order Judgment in Individuals With Autism Spectrum Disorder. Multisensory Research, 34, 129-151.
  6. 熊谷晋一郎. (2018). 支援付き意思決定:その法理・実践研究・当事者性について. 障害学研究, 14, 67-84.
  7. Asada, K., Tojo, Y., Hakarino, K., Saito, A., Hasegawa, T., & Kumagaya, S. (2018). Body image in autism: Evidence from body size estimation. Journal of Autism and Developmental Disorders, 48, 611-618.
  8. 熊谷晋一郎. (2017). 自閉スペクトラム症の社会モデル的な支援に向けた情報保障のデザイン:当事者研究の視点から. 保健医療科学, 66, 532-544.
  9. Inui, T., Kumagaya, S., & Myowa-Yamakoshi, M. (2017). Neurodevelopmental hypothesis about the etiology of autism spectrum disorders, Frontiers in Human Neuroscience, 11, 354.
  10. Aramaki, E., Shikata, S., Ayaya, S., & Kumagaya, S. (2017). Crowdsourced identification of possible allergy associated factors: automated hypothesis generation and validation using a crowdsourcing services. JMIR Research Protocols, 6, e83.
  11. 熊谷晋一郎. (2016). 自閉スペクトラム症の研究において地域性・時代性に依存するdisabilityと個体側のimpairmentを区別することの重要性, 発達心理学研究, 27, 322-334.
  12. Kumagaya, S. (2015). Tojisha-kenkyu of autism spectrum disorders. Advanced Robotics, 29, 25-34.
  13. Asada, K., Tojo, Y., Osanai, H., Saito, A., Hasegawa, T., & Kumagaya, S. (2016). Reduced personal space in individuals with autism spectrum disorder. PLoS ONE, 11, e0146306.
  14. Lin, I-F., Mochida, T, Asada, K., Ayaya, S., Kumagaya S., & Kato, M. (2015). Atypical delayed auditory feedback effect and Lombard effect on speech production in high-functioning adults with autism spectrum disorder. Frontiers in Human Neuroscience, 9, 510.
  15. 熊谷晋一郎・綾屋紗月・武長龍樹・大沼直紀・中邑賢龍. (2013). 一般大学生における聴覚過敏の実態とリスク要因. Audiology Japan, 56, 234-242.
             

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