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応用脳科学アカデミー

2024年度

脳科学から考えるコンパッション:藤野 正寛(NTT コミュニケーション科学基礎研究所 リサーチスペシャリスト)

苦しみを抱えた相手と向き合った際に、相手の苦しみに巻き込まれて共感疲労に陥るのではなく、相手の苦しみを和らげてあげたいというコンパッションが生じるにはどうすればいいのでしょうか。本講義では、認知神経科学の領域で扱われてきたマインドフルネス瞑想や、社会神経科学の領域で扱われてきたコンパッション瞑想の様々な知見、さらには仏教的な視点もご紹介しながら、共感疲労ではなくコンパッションが生じるためのメカニズムを考えます。

講師

藤野 正寛 先生
NTT コミュニケーション科学基礎研究所 リサーチスペシャリスト

日時

場所

オンライン開催(Zoom)

お問い合せ先

本講義に関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

藤野 正寛(ふじの まさひろ)先生

現職

  • NTT コミュニケーション科学基礎研究所 リサーチスペシャリスト

経歴

瞑想家、認知心理学者、博士(教育学)。
2004年に神戸大学経営学部卒業後、シスメックス株式会社で経営企画管理業務に従事。10日間の瞑想リトリートに参加し、瞑想がウェルビーイングに貢献する可能性を感じ、瞑想研究を行うために退社。2012年に京都大学教育学部に編入学、2019年3月に京都大学教育学研究科博士課程修了。独立行政法人日本学術振興会特別研究員(DC1) 、京都大学大学院教育学研究科助教、京都大学オープンイノベーション機構特定助教を経て現職。

研究概要

認知心理学的手法と、fMRIを用いた脳画像データや、生理活動計測装置を用いた心拍変動データや呼吸変動データなどを組み合わせて、マインドフルネス瞑想を構成する集中瞑想と洞察瞑想の生理・心理・神経メカニズムを解明する研究を進めている。また、それらの知見に基づいて、マインドフルネス瞑想を医療分野や教育分野に導入することに取り組んでいる。

主な業績

  • Sato, G. T., Ooishi, Y., Fujino, M., & Moriya, T. (2023). Device for controlling the phasic relationship between melodic sound and respiration and its effect on the change in respiration rate. Behaviour & Information Technology, Published online.
  • 野村康生, 高橋康介, 北川智利, 藤野正寛, Kenji “Noiz” Nakamura (2023). 現代アーティストと心理学者による共創的活動の記録. 日本心理学評論, 66(1), 4-23.
  • Fujino, M., Watanabe, K., & Yamakawa, Y. (2022). The personal trait of spiritual growth is correlated with the white matter integrity of the brain. frontiers in Human Neuroscience, 16, 890160.
  • Takahashi, T., Saito,, J., Fujino, M., Sato, M., & Kumano, H. (2022). The validity and reliability of the short form of the five facet mindfulness questionnaire in Japan. frontiers in Psychology.
  • 藤野正寛. (2021). 瞑想における平静さの構成概念と神経メカニズム. 心理学評論, 64(3), 274-294.
  • Ooishi, Y., Fujino, M., Inoue, V., Nomura, M., & Kitagawa, N. (2021). Differential effects of focused attention and open monitoring meditation on autonomic cardiac modulation and cortisol secretion. Frontiers in Physiology, 12,675899.
  • 藤野正寛, 上田祥行, 井上ウィマラ, イエット・G・サンダーズ, スティーブン・マーフィ重松, 野村理朗 (2019). 心理学実験のための集中・洞察・慈悲瞑想の短期介入インストラクションの開発. マインドフルネス研究, 4, 10-33.
  • Fujino, M., Ueda, Y., Mizuhara, H., Saiki, J., & Nomura, M. (2018). Open monitoring meditation reduces the involvement of brain regions related to memory function. Scientific Reports, 8, 9968.
  • 藤野正寛・上田祥行 (2017). マインドワンダリングの低下に関わる集中瞑想と洞察瞑想の神経基盤. 精神科治療学, 32(5), 645-650.
  • 藤野正寛・梶村昇吾・野村理朗 (2015). 日本語版Mindful Attention Awareness Scaleの開発および項目反応理論による検討. パーソナリティ心理学会, 24, 61-7.
             

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