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応用脳科学アカデミー

2024年度

脳の発生発達と神経発達障害 Brain Development & Neurodevelopmental Disorders:大隅 典子(東北大学 副学長)

脳の中には1000億もの神経細胞と、さらにその数倍の数のグリア細胞が存在し、神経機能を営んでいます。このような脳の細胞は「神経幹細胞」というタネの細胞から作られ、大部分は胎児期に生まれますが、例えば海馬の中などでは生涯にわたって神経細胞が産生され続けることが知られています。脳の発生発達の複雑な過程に「バグ」が生じると、例えば自閉スペクトラム症のような神経発達障害となって表れます。本講義では、とくに神経発達障害の遺伝的および非遺伝的メカニズムについて、最新の研究成果をもとにお話します。

講師

大隅 典子 先生
東北大学 副学長(広報・ダイバーシティ担当)
東北大学 附属図書館長
東北大学大学院 医学系研究科 発生発達神経科学分野 教授

日時

場所

ハイブリッド開催(会場:株式会社NTTデータ経営研究所会議室(千代田区平河町(地図)& Zoom)

お問い合せ先

本講義に関するご質問等は、 「各種お問い合わせフォーム」 より、お問い合わせください。

講師紹介

大隅 典子(おおすみ のりこ)先生

現職

  • 東北大学 副学長(広報・ダイバーシティ担当)
  • 東北大学 附属図書館長
  • 東北大学大学院 医学系研究科 発生発達神経科学分野 教授

経歴

  • 1985年 東京医科歯科大学歯学部卒
  • 1989年 同大学院歯学研究科修了。歯学博士
  • 1989年 同大学歯学部助手
  • 1996年 国立精神・神経センター神経研究所室長
  • 1998年 東北大学大学院医学系研究科教授(~現在)
  • 2006年 東北大学総長特別補佐(男女共同参画担当)
  • 2008年 東北大学ディスティングイッシュトプロフェッサーに就任
  • 2004年~ 科学技術振興機構CREST「ニューロン新生の分子基盤と精神機能への影響の解明」研究代表者
  • 2007年~ 東北大学グローバルCOE「脳神経科学を社会へ還流する研究教育拠点」拠点リーダー
  • 2006年~ 東北大学女性研究者育成支援推進室副室長として振興調整費による「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」推進
  • 2006年 女性研究者育成支援態勢整備の促進に貢献したとして「ナイスステップな研究者2006」選定
  • 2010年 附属創生応用医学研究センター・脳神経科学コアセンター長
  • 2015年~2019年 同大学同研究科附属創生応用医学研究センター長
  • 2016年 文部科学省科学研究費新学術領域「個性」創発脳領域代表
  • 2018年 同大学副学長、附属図書館長、(〜現在)
  • 2022年 JST女性研究者活躍推進賞(ジュンアシダ賞)を東北大学として受賞
  • 2023年 内閣府健康・医療戦略参与

研究概要

専門分野:発生生物学、分子神経科学、発生発達神経科学

現在の主要なテーマ
  • 脳の発生発達の分子メカニズム
  • 父性効果の分子メカニズム
  • 神経発達症の発症メカニズム

主な業績

国際誌原著
  • Matsuo, T., Osumi-Yamashita N., Noji, S., Ohuchi, H., Koyama, E., Myokai, F., Matsuo, N.,Taniguchi, S., Doi, H., Iseki, S., Ninomiya, Y., Fujiwara, M., Watnabe, T., & Eto, K.: Amutation of the Pax-6 gene in rat “”small eye”” was associated with migration defect of midbrain crest cells. Nature Genet. 3, 299-304, 1993(*ともに筆頭著者)
  • Yoshizaki K, Kimura R, Kobayashi H, Oki S, Kikkawa T, Mai L, Koike K, Mochizuki K, Inada H, Matsui Y, Kono T, Osumi N.: Paternal age affects offspring via an epigenetic mechanism involving REST/NRSF. EMBO Rep 22(2), e51524 (2021).
  • Mai L, Inada H, Kimura R, Kanno K, Matsuda T, Tachibana RO, Tucci V, Komaki F, Hiroi N, Osumi N.: Advanced paternal age diversifies individual trajectories of vocalization patterns in neonatal mice. iScience 25(8):104834 (2021) 他216編
著書・訳書など
  • 『小説みたいに楽しく読める脳科学講義』(羊土社)
  • 『個性学入門 ―個性創発の科学―』編著・著者(朝倉書店)
  • 『脳の誕生—発生・発達・進化の謎を解く』(ちくま新書)
  • 『脳から見た自閉症 「障害」と「個性」のあいだ』(ブルーバックス)
  • 『〈自閉症学〉のすすめ オーティズム・スタディーズの時代』共著(ミネルヴァ書房)
  • 『脳の発生・発達:神経発生学入門』(朝倉書店)
  • 『心を生み出す遺伝子』訳(岩波現代文庫)、等多数
             

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