自然セラピー -生体調整効果と個人差-:宮崎 良文(千葉大学環境健康フィールド科学センター 自然セラピープロジェクト 特命研究員, グランドフェロー, 名誉教授)
自然セラピーがもたらす生理的リラックス効果を紹介し、それらのデータを元に、最近、見いだした「生体調整効果(高い場合は低下させ、低い場合は上昇させて、生体を調整する効果)」と「個人差」について、以下の2パートに分けて講演します。
1. 森林、海、公園、木材、花等の自然由来の刺激がもたらす生理的リラックス効果に関して、フィールド実験と室内実験に分けて紹介します。用いた計測指標は①脳前頭前野活動、②心拍変動性(交感・副交感神経活動)、③ストレスホルモン(唾液中コルチゾール等)等です。
2. それらのデータを元に[生体調整効果]と「個人差」について、最新のデータを紹介します。
活発な質疑応答を期待しています。
講師
宮崎 良文 先生
千葉大学 環境健康フィールド科学センター 自然セラピープロジェクト 特命研究員, グランドフェロー, 名誉教授
日時
2024年08月07日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)第3部 15:40~16:50
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場所
オンライン開催(Zoom)
お問い合せ先
本講義に関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。
講師紹介
宮崎 良文(みやざき よしふみ)先生
現職
- 千葉大学 環境健康フィールド科学センター 自然セラピープロジェクト 特命研究員, グランドフェロー, 名誉教授
経歴
1977 東京農工大学卒
1979 東京農工大学修士課程(環境保護学)修了
1979 東京医科歯科大学医学部衛生学教室助手
1985 医学博士(東京医科歯科大学より)授与
1988 農林水産省森林総合研究所入所
1992~2001 同研究室長
2001~2007 同生理活性チーム長
2007~2019 千葉大学環境健康フィールド科学センター教授
2009~2018 千葉大学環境健康フィールド科学センター副センター長
2019~ 千葉大学環境健康フィールド科学センター 特任研究員、グランドフェロー
2022~ 千葉大学名誉教授
2024~ 千葉大学環境健康フィールド科学センター 特命研究員、グランドフェロー
研究概要
自然セラピー研究の目的は、「人と自然間の相互作用」の解明です。生理指標としては、脳機能(近赤外分光法等)、自律神経機能(心拍変動性、血圧等)、内分泌機能(唾液中コルチゾール等)および免疫機能(NK細胞活性等)を用います。実験は、フィールド実験(森林セラピー、公園セラピー等)と室内実験(五感を介した単独刺激)の両面から実施します。自然セラピーが持つ生理的リラックス効果を明らかにすることにより、現在、社会問題となっているストレス軽減に貢献します。予防医学的効果という観点からは、医療費の削減にも寄与すると期待されています。
本講演においては、自然セラピーがもたらす1)生理的リラックス効果ならびに2)生体調整効果(高い場合は低下させ、低い場合は上昇させて、生体を調整する効果)と個人差について紹介し、解説致します。
主な業績(http://www.fc.chiba-u.jp/research/naturetherapy/)
受賞歴
- 2000 農林水産大臣賞(「木材と森林浴の快適性増進効果の解明」に対して)
- 2006 日本生理人類学会賞
業績
- 英語:学術論文 170 報、学術書籍 20 冊(単著 1 報(18カ国で翻訳)、共著2報、分担 18 冊)
- 日本語:学術論文 86 報、学術書籍 67 冊(単著・編集 12 冊、分担 55 冊)
- その他の言語(韓国語・中国語):書籍 9 冊(日本語書籍の翻訳)
著書
- 「Waldbaden(森林浴): The Hiking Therapy(独語・共著・Werd Weber Verlag AG, Thun, スイス」2022
- 「木と人のサイエンス」(共著・日刊木材新聞社)」2022
- 「木材セラピー(共著・創元社)」 2022
- 「Shinrin-yoku (単著・Hachette UK, 日本語版・森林浴(創元社)を含め17カ国語で出版)」 2019
- 「自然セラピーの科学 (編集・朝倉書店)2016
- 「森林医学 II (編集・朝倉書店)2009
- 「森林医学 (編集・朝倉書店)2006
他