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応用脳科学アカデミー

2023年度

社会環境における意思決定の脳内表現 仮想社会と私たち:田中 敏子(情報通信研究機構(NICT)未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳情報工学研究室 研究員)

 私たちは日々の社会生活の中で、数えきれないほどの選択や意思決定を行っています。
 同じ選択肢の間の意思決定でも、おかれた環境やその時の気分によって選択が異なる事もあります。
 私たちの研究室では、こういった社会環境下に置ける意思決定と情動の関係やその個人差を主にfMRI計測と数理モデルを用いて調べています。最近では、実験室内における社会環境の構築に、バーチャルリアリティー(VR)を導入し、アバターを利用して研究を進めています。
 本講義では、私たちのグループが取り組んできた社会的環境下における意思決定の脳内メカニズムの解明に向けた一連の研究のうちいくつかついてご紹介するとともに、現在進行中のVR実験についてもお話したいと思います。

講師

田中 敏子 先生
情報通信研究機構(NICT)未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳情報工学研究室 研究員

日時

2023年10月13日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)第1部 13:00~14:10
当日の全体スケジュールはこちらをご覧ください。

場所

オンライン(Zoom)

お問い合せ先

本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。

講師紹介

田中 敏子(たなか としこ)先生

現職

  • 情報通信研究機構(NICT)未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳情報工学研究室 研究員

経歴

  • 2012年 大阪大学理学研究科生物科学専攻博士号(理学)取得
  • 2010年より 玉川大学脳科学研究所勤務
  • 2014年 大阪大学COI研究推進機構研究員を経て
  • 2015年より情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 研究員  

研究概要

 私は主に社会的環境下における意思決定の個人差を支える脳内基盤に興味を持って実験しています。
 実験室環境では、様々な実験条件を用いfMRIで計測した脳活動に数理モデルを適用し、個人の情動や特性と意思決定の関係などを調べています。オンライン実験を駆使し、実社会での検証を試みる一方で、fMRIのBOLD信号の持つ特性の検討といった基礎的な研究も行っています。

主な業績

  • The initial decrease in 7T-BOLD signals detected by hyperalignment contains information to decode facial expressions. Tanaka T, Okamoto N, Kida I, Haruno M. Neuroimage. (2022) doi: 10.1016/j.neuroimage.2022.119537. Epub 2022 Aug 6. PMID: 35944797.
  • A message of the majority with scientific evidence encourages young people to show their prosocial nature in COVID-19 vaccination. T Tanaka, T Nihonsugi, F Ohtake, M Haruno. Sci Rep (2021).
  • Interactive effects of OXTR and GAD1 on envy-associated behaviors and neural responses. Tanaka T, Nishimura F, Kakiuchi C, Kasai K,Kimura M, Haruno M. (2019) PLoS ONE 14(1): e0210493.
  • Brain response patterns to economic inequity predict present and future depression indices. Tanaka T, Yamamoto T, Haruno M. (2017) Nature Human Behaviour 1:748-756. doi:10.1038/s41562-017-0207-1.

             

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