脳型無線センサネットワーク:若宮 直紀(大阪大学 大学院情報科学研究科 教授)
無線ネットワークの発展と人工知能技術の向上を背景にエッジコンピューティングやフォグコンピューティング、さらに組み込み人工知能によるIoT(Internet of Things)システムの高知能化が急速に進んでいる。本講演では、無線センサネットワークそのものを物理的なニューラルネットワークとして用いることでニューラルコンピューティングによる汎用的な情報処理能力を実現する研究を紹介する。これにより、高密度かつ大量に配置されたIoTデバイスからなる無線センサネットワークを単なる情報収集手段としてではなくあらたな計算資源として活用でき、IoTシステムの一層の高度化、高機能化や低遅延化、低消費電力化が期待できる。
講師
若宮 直紀 先生
大阪大学 大学院情報科学研究科 教授
日時
2021年11月17日(水)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※若宮先生の講義は、15:40~16:50です。
場所
入館方法
JA共済ビルのエントランスフロアで受付を済ませてから、左側のエレベーターにて9階までお越しください。9階に着きましたら、片側のガラス越しに社名が掲示されています。そちら側よりご入室いただきますと、右側奥に応用脳科学アカデミー受付(臨時設置)がございます。
お問い合せ先
本アカデミーに関するご質問等は、「各種お問い合わせフォーム」より、お問い合わせください。
講師紹介
若宮 直紀(わかみや なおき)先生
現職
- 大阪大学 大学院情報科学研究科 教授
- 脳情報通信融合研究センター 特別研究員
経歴
- 1996年 大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了 博士(工学)
- 1996年 同大学院基礎工学研究科助手
- 1997年 同大学情報処理教育センター助手
- 1999年 同大大学院基礎工学研究科講師
- 2001年 同大大学院情報科学研究科助教授(2007年 准教授へ職名変更)
- 2011年 同大大学院情報科学研究科教授(現在に至る)
研究概要
大規模化、複雑化を続ける情報・通信システムの持続的な発展のため、数学、物理学、生物学など多様な学術分野と融合・連携した学際的なアプローチにもとづく、全く新しい情報・通信技術を研究しています。特に生物や生体にみられる自己組織化、環境適応などの振る舞いや原理を解明、理解し、その知見を応用することによって、これまでになく高い拡張性、適応性、頑健性のある情報・通信システムを構築、制御するための仕組みを研究開発しています。また、柔軟でロバストな脳の情報処理の仕組みを利用する全く新しい脳型コンピュータや脳型ネットワーク研究開発、深層学習を活用したデータ駆動型制御アルゴリズムの開発も行っています。
主な業績
- N. Wakamiya, “Next-Generation Bio- and Brain-Inspired Networking,” in Fluctuation-Induced Network Control Learning, M. Murata and K. Leibnitz Ed., Springer, 2021.
- Y. Okumura, and N. Wakamiya, “Analysis of reservoir structure contributing to robustness against structural failure of Liquid State Machine,” Proceedings of the 2nd International Workshop on Reservoir Computing, Oct. 2020.
- T. Sakaguchi, and N. Wakamiya, “Consideration on liquid structure contributing to discrimination capability of Liquid State Machine,” Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE, vol. 11, no. 1, pp. 36-59, 2020.