脳から考える人間の時間知覚:四本 裕子(東京大学 総合文化研究科 准教授)
脳には視覚・聴覚などの感覚知覚に特化した領域が存在する。一方で、時間の知覚は複数の感覚入力が関与する複合的な知覚であり、その単位もミリ秒から年までと幅広い。そのため、時間知覚には複数の脳領域からなるネットワークが関与し、半ば自動的に知覚される場合や、記憶や感情が影響する場合もある。講演では、時間知覚に関するモデルを概説し、具体的な実験例を紹介しながら、脳のネットワークや高次認知が知覚に及ぼす効果について議論する。そして、退屈な時間を長く感じたり、年齢を重ねるにつれて時間がはやく過ぎるように感じる理由について考える。
講師
四本 裕子 先生
東京大学 総合文化研究科 准教授
日時
2021年10月29日(金)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※四本先生の講義は、14:20~15:30です。
場所
オンライン開催
お問い合せ先
本アカデミーに関するご質問等は、 「各種お問い合わせフォーム」 より、お問い合わせください。
講師紹介
四本 裕子(よつもと ゆうこ)先生
現職
- 東京大学 総合文化研究科 准教授
経歴
- 2005年8月 ブランダイス大学 学位取得:博士(心理学)
- 2005年6月 – 2008年5月 ボストン大学 リサーチアソシエイト
- 2006年1月 – 2010年3月 マサチューセッツジェネラルホスピタル リサーチフェロー
- 2007年1月 – 2010年3月 ハーバードメディカルスクール リサーチフェロー
- 2008年5月 – 2010年3月 ボストン大学 リサーチフェロー
- 2010年4月 – 2012年3月 慶應義塾大学 特任准教授
- 2011年11月 – 2012年5月 慶應義塾大学人間知性センター 特任准教授
- 2012年4月 – 2012年5月 慶應義塾大学 訪問准教授
- 2012年6月 – 現在 東京大学 准教授
研究概要
専門分野:認知神経科学
研究テーマ:視覚情報処理に関する研究
研究テーマに関するキーワード:視知覚,運動制御,脳機能
主な業績
受賞歴
- 平成30年度日本学術振興会賞(2018)
- マスマティカルサイコロジーミーティング発表賞,ミシガン州アンアーバー(2004)
- 日本視覚学会発表賞(2000)
- 日本視覚学会ベストプレゼンテーション賞(1999)
業績
- Neural representations of own-voice in the human auditory cortex. Taishi Hosaka, Marino Kimura, Yuko Yotsumoto. Scientific Reports Jan, 2021 Peer-reviewed Corresponding author.
- Older adults preserve accuracy but not precision in explicit and implicit rhythmic timing. Elisa M. Gallego Hiroyasu, Yuko Yotsumoto. PLOS ONE 15(10) e0240863 – e0240863 Oct 19, 2020 Peer-reviewed Last author Corresponding author.
- Effect of change saliency and neural entrainment on flicker-induced time dilation. Luhe Li, Shogo Ito, Yuko Yotsumoto. Journal of Vision 20(6) 15 – 15 Jun 23, 2020. Peer-reviewed Last author Corresponding author.
- Multiple irrelevant duration information affects the perception of relevant duration information: Interference with selective processing of duration. Kawahara, H, Yotsumoto, Y. i-Perception 2020 Peer-reviewed Last author Corresponding author.